レパーサの投与対象は、心血管イベントの発現リスクが高く且つHMG-CoA
還元酵素阻害剤(スタチン)で効果不十分又はスタチンによる治療が適さない、家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症の患者です。
スタチンによる治療が適さない患者とは、副作用の既往等によりスタチンの使用が困難な患者、スタチンの使用が禁忌とされる患者を指します。
なお、レパーサは、スタチンによる治療が適さない場合を除き、スタチンと併用してください。また、心血管イベントの発現リスクについては、冠動脈疾患、非心原性脳梗塞、末梢動脈疾患、糖尿病、慢性腎臓病等の罹患又は既往歴等をご確認ください。
レパーサの電子化された添付文書には以下の記載があります。
4. 効能又は効果
家族性高コレステロール血症、高コレステロール血症
ただし、以下のいずれも満たす場合に限る。
・心血管イベントの発現リスクが高い
・HMG-CoA還元酵素阻害剤で効果不十分、又はHMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない
5. 効能又は効果に関連する注意
〈効能共通〉
5.2 家族性高コレステロール血症以外の患者では、冠動脈疾患、非心原性脳梗塞、末梢動脈疾患、糖尿病、慢性腎臓病等の罹患又は既往歴等から、心血管イベントの発現リスクが高いことを確認し、本剤投与の要否を判断すること。[17.1.1-17.1.5参照]
〈HMG-CoA還元酵素阻害剤による治療が適さない場合〉
5.3 本剤は以下に示す患者に使用すること。
・副作用の既往等によりHMG-CoA還元酵素阻害剤の使用が困難な患者
・HMG-CoA還元酵素阻害剤の使用が禁忌とされる患者
なお、エボロクマブに対する最適使用推進ガイドラインには、以下の記述があります。
5.投与対象となる患者
【患者選択について】
本剤は、心血管イベントの発現リスクが高く、(1)スタチンの最大耐用量※1を一定期間服用※2している又は(2)スタチンによる治療が適切でない、最新の疾患ガイドライン(参考:JASガイドライン)を踏まえた脂質管理目標値に到達していない高コレステロール血症患者に対して使用をご検討ください。
・最適な投与対象は、主として脂質管理目標値に達していないFH患者、冠動脈疾患の既往のある患者と考えられます。
・非FH患者に対する使用にあたっては、スタチンのアドヒアランスや動脈硬化性疾患に関する他のリスクファクターの管理の状況を慎重に評価してください※3。
・本剤投与前には、スタチンに加えて(スタチンによる治療が適さない場合を除く)、エゼチミブを併用することも考慮してください。
・スタチンによる治療が適さない患者については、以下のいずれかに該当することを確認してください。なお、特定のスタチンの使用のみが困難な場合又は特定のスタチンの禁忌にのみ該当する場合には、他のスタチンの投与可能性も十分に検討してください。
①副作用の既往等によりスタチンの使用が困難であること。
②スタチンの使用が禁忌とされていること。
・高コレステロール血症治療の基本である食事療法、運動療法、禁煙及び他の動脈硬化性疾患のリスクファクター(糖尿病、高血圧症)の軽減を含めた内科的治療が十分に行われていることを確認してください。
※1 増量による副作用発現のリスクや患者背景(年齢、腎機能障害等)などを考慮し、医師がその患者にとってこれ以上増量することが不適切であると判断した用量
※2 FH患者、※3の①②に該当する患者の使用については、医師が臨床上十分な観察期間と判断する期間。それ以外の患者の使用については、原則として3カ月以上
※3 非FH患者では、以下のリスク因子を1つ以上有することを目安とする
① 冠動脈疾患(安定狭心症に対する冠動脈形成術を含む)の既往歴
② アテローム血栓性脳梗塞(明らかなアテロームを伴うその他の脳梗塞も含む)の既往歴
③ 糖尿病
④ 慢性腎臓病
⑤ 末梢動脈疾患
⑥ 久山町研究スコア(※)にて高リスク分類(50~59 歳:19 以上、60~69 歳:13以上、70~79 歳:8以上)
※10年間の動脈硬化性心疾患の発症リスクを予測するスコア。久山町研究のスコアは、JASガイドライン2022の図3-2に基づいて計算すること。
医薬薬審発1121 第2号(令和5年11月21日)「最適使用推進ガイドライン エボロクマブ(遺伝子組換え)」より一部改変
※最新の情報は電子化された添付文書をご確認ください。電子添文のリンクはこちら